過去の頭では捉えきれない現実

今回の米大統領選での大方の見方に反してのトランプ氏の当選がいろんな分野に影響を与えつつあります。事前の多くの 評論家やアナリストの予想は米国も日本も ほとんど同じであり、もしトランプ氏が 大統領選を制すると激しいドル売りやまた株式市場の大混乱、さらに日本のメディアにおいては 1ドルが100円を切ってくるなどの観測が誠しやかに報じられていましたね。

確かにトランプ氏が優勢と伝えられた時には場中だった日経平均株価は大きく下げましたが、翌日には一転反発し、更に猛烈なスピードで円安に振れて参りました。ダウは史上最高値を連日更新し、日経平均もザラバで年初来高値をクリアしました。

それに伴いおそらく第3クオーターの企業業績は特に輸出企業を中心として為替レートを百数円台で読み直しているので、このままいくとすると最終クオーターには大幅な利益見込みの上振れが予想できます。またGPIFにおける株式運用比率の是非が一時極めて短い期間を見て問題視されましたが、第3クオーター以降これも大きく改善されるはずですね。

もちろんプラス面だけではなく、おそらく日本に取って有利だと考えられたTPP締結の見通しが立たなくなったことや、防衛および安全保障の問題、米ソの接近が考えられることに対しての我が国の地政学的問題などこちらの方もいろいろ考えてみると枚挙にいとまがないように思われます。さらに米国においてはドル高をどこまで容認するのか、中東政策や中国の拡張政策へのスタンスはどうなるのか、を始め全く分からない方面も更に枚挙にいとまがありません。

しかしただ一つはっきりしたことは、メディアの役割や存在が大きな転換点を迎えていることでしょう。過去のようにメディアの見解やモノの見方に多くの人が大きな影響を受けそれらがメインストリームになってゆく時代は、今までは「過激」や「暴論」とか「xx劇場」のレッテルを張られ葬り去られた方向にとって代わられるのではないでしょうか。
そのとき大きな役割を果たすのがおそらくソーシャルネットワークやコミュニケーションツール等の個人発のメディアであって、決してマスメディアではないかも知れませんね。つまり新しい時代は、自分の目や足で現実を捉え、自分の頭で考え判断ができる事が求められる時代なのでしょう。


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