寺廟ナイトツアーと木瓜牛乳

僕が宿をとったここ台南の神農街周辺はおそらく台湾でも最古の寺廟が至るところにあるベストポジションで、夜ゆっくりまわってみると風の匂い、時間の流れが何だか懐かしい感じがいたします。

近道よりも遠回り、理屈よりも情緒、明快なものよりも混沌としたもの、合理性よりも非合理性、スピードよりも緩慢、貯蓄よりも消費、 ここ台南で ぼんやりしていると そんなことをふと 思い至りました。
ちょっと飛躍してるかも知れませんが、暴言とか過激とかのレッテルは一部のestablishが作り上げたものという考え方を比大統領や米新大統領のトランプさんを例にあげて先月ブログに書きました。つまり不法な移民が合法的な移民を厳しい立場に追い込んでいる事は事実だし、麻薬のために子供をさらい、地元の警察も抱き込んで臓器売買という現実を一刻も放置しておけないことは理解できますね。メディアから完全に離れて、今起きてるパラダイムの変化を考えるいい機会になったような気がいたします。


一夜明けで次の日は台南市の最も西の端の街に行ってみました。台湾の歴史は17世紀初頭のオランダ統治時代ここ安平(anping)から始まりそれ以前は先史時代になり歴史がありません。
日本で言えば徳川三代将軍家光あたりの頃にあたりますね。したがって台湾では江戸時代から歴史がはじまったようなものですが、当然国家にあたる国の概念などはなく19世紀後半までは外国の勢力からの統治というか先住民がバラバラにされて支配されていた訳ですね。
20世紀を目前として 下関条約で 清国から台湾を譲り受けた日本は自らの弟のようにして、言葉や文字を教え、鉄道を敷き、農業を教え、ダムを建設し、きれいな水を飲める上水道を敷き、 風土病を根絶し、学校を作り、自国の事は 後回しにし 現在の台北市に帝国大学を敷設しました。
今でも台湾の小学校の教科書には後藤新平や八田與一の功績が紹介されているそうです。 日本人に対しある意味尊敬のような念を今でも持っている台湾人の方が少なくないのはそのためです。
さて、お昼ご飯は有名な周氏蝦巻。中はプリプリの海老と葱、外はえびせんのようにパリパリ!

観光客だけでなく現地の人たちももここを訪れれば誰もが必ず一度は口にする名品です。
今では台北市内の三越などの有名デパートでも販売して いて 僕もフードコートで一度注文して 実際に食べてみたのですが 正直言ってこのパリパリ感がありません。
新店を新たに出店する際、日本では本家の味をできる限り損なわないように、それこそ経営者あげて、かってダイエーの中内さんが新店舗をオープンさせる際に、一階のフードラインを特に念入りにチェックし、ウナギを焼く匂いが納得できないと、担当のマーチャンダイザーは徹夜してでも中内さんがよし、というまで何度もやり直した、と聞いた事を思い出しました。
そんな気遣いというか、やり方もあっていいのではないかと思います。それほど安平本店の味はB級グルメ評論家の僕の舌を魅了いたしました。


帰りに街をぶらぶらといつものように何か美味しそうなものはないかと物色しながら歩いていると、水を一滴も使わない頑固な製法にこだわる木瓜牛乳(muguanyunai)を売るお店を 国華街と民生路の交差点で偶然にも発見、さっそく不加冰つまり氷なし状態で一杯頼みました。やはり夕方になると暑さにやられ結構な行列ができていましたが、ここは忍耐強く待ってみました。で、さっそく部屋に戻って 味わってみるとこれがたぶん砂糖も加えることなしに程よい甘さで 死ぬほど美味しい。当たり前か、この国の果物は本当に安くて美味しくてレベルが違いすぎ。しかも大サイズが一杯60元(日本円で200円くらい)とは恐れ入りました。
もし難波辺りで10坪くらいの小さなお店を開けば、おばちゃん倒れるほど忙しいだろうなあ。お店の壁に張り紙してあったけど、「上午十貼開始営業、下午10貼閉店」朝10時から夜10時までご主人と二人でやってるし。
ああ、果物仕入れるのって台湾から取り寄せるんじゃあ高くついておばちゃん大赤字になってやっぱり無理か。。

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