「孤独のグルメ」取材元の永楽市場の鶏肉飯(B級)

台北駅から北に歩いて20分くらい、淡水沿いの迪化街(duhuajie)は伝統的な高級食材や漢方薬等の卸街です。僕は台北に滞在することがあればお土産は必ここで買いますね。


かつて、淡水河が運河として使用されていた時代の、大陸との貿易の拠点。龍山寺のある艋舺とともに、港として発展した街でした。

土砂の堆積により、淡水河が運河として機能しなくなってからも、問屋街として人々の生活に欠かせない街。旧正月前は正月用品が並び、地元の買い物客でかなり賑わいます。

迪化街の北側及び南側は、それぞれMRTの雙連駅と中山駅から、歩いてゆける距離。MRT中山駅から歩くと、ロータリーとなっている圓環廣場や、寧夏路夜市の入り口を通ります。西へおよそ15分歩くと、迪化街の南端へたどり着くことができます。

今回も、頼まれもののからすみを十数個買おうと台南から着いたその足で早速向かいました。いつものお店に入ろうとすると、僕の顔を覚えてくれてるお姉さまがにこにこして出迎えてくれました。このお店のからすみは大変品質がよく、国産のものに比べあまり塩辛くなく脂も乗っていて保存状態もよく、大体賞味期限も一年以上先の日付が刻印してあるくらい新鮮なものばかりです。
とはいうものの、国産のからすみ非常に高価なため手が出ない、というのが正直なところですが前回のグログでも書いたように、台南の安平老街あたりでは無造作に厚切りしたからすみを火であぶったものをお酒のお供として300元(日本円で1000円)くらいで3、4切れ出すお店もありますね。


これほど整然と海鮮の高級食材が並べられ、独特の雰囲気、漢方の匂いが漂い、ひとつひとつの商品を眺めているだけで、体が澄んでくるような気がします。
もちろんこのようなA級グルメ食材は僕には無縁ですが、一度何を思ったか随分以前台北の高級レストランでひとりで4000元もするコースを頼んだことがありました。それはそれは、伊勢海老(龙虾)から鮑(鲍鱼)にふかひれ(鱼翅)これはスープではありませんよ。そのものです。
そして、ばかな僕はお姉さまのお誘いにのって、ばかが、調子にのって紹興酒(绍兴酒)を薬缶いっぱいしこたま飲んで、ふらふらと帰りの夜道でひっくり返り気分が悪くなって、どぶの中に食べたものをもったいなくも全部吐いてしまったものでした。やはりA級は僕には似合わないのでしょうね。


さて、「孤独のグルメ」で出てくる永楽市場はまさに、ここ迪化街のど真ん中に位置し新鮮な肉類や魚類、から衣類まで地元の人のための生活百貨という感じの市場です。
主人公の松重豊扮する井之頭五郎は例によって市場を彷徨ってるうちにお腹が空いてきて、屋台風のお店に腰をおろし、お隣さんが食べているものを、アレアレ、といって注文するのですが、番組を見ているとああここか、とすぐに分かったものですから、今回興味本位であまりお腹は空いてはいませんでしたがちょっとよってみました。




左のが、鶏肉飯(jiroufan)です。鶏の胸肉あたりをちょっと漢方風の味付けで煮込んであり、ピリ辛の豆板醤風のアクセントが乗ってます。温かいご飯の上にぶっかけてあり簡単です。「马上来」とお姉さまがのたまったようにすぐに出てきました。香りもいいし、旨いです。3杯食いました。
右は汤青菜(tangqingcai)と書いてあって、菜っ葉を茹でて中華風餡かけで味付けしたものでちょっとニンニクの香りがしてこれまた美味でございました。併せて120元(400円)とはね。

物価三倍の法則からいくと、ここの代金は日本では1200円と言われても何の問題もありませんね。三杯食ってますし。
そういえば安平で五日目にどうしても足が痛くなって(大体旅行中はB級を求めて一日平均30,000歩は彷徨います)タクシーに20、30分乗ったら、125元でした。後でググってみるとちょうど4.6キロでしたので日本では1500円程ですから、やはり日台物価三倍の法則が成り立っていました。


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