けったいな言葉②

メディアが何の疑問も挟まずにさらっと使用する言葉は数々ありますが、最近は「生前退位」を筆頭に更におまけがついて、「生前退位を容認する」とか「認める」まで飛び出して有識者とはどんな人たちなのかと思いますね。何か勘違いされてる方々が二重、三重にも上塗りをされています。

また、業界用語をそのまま使っていて何のこっちゃわからん言葉にタクシーなどの「初乗り」という表現があります。僕の語感では小学校の時散髪にいってから次の日登校すると初ハリ!とかいって後頭部を張られたのを思い出し、この言葉には生まれて始めてとか、今回始めてというニュアンスがあって「初乗り」とは生まれて始めてタクシーに乗った人だとか、この国で最初に乗ったタクシーの料金とか思ってどのようにして「初」を認定するのかと悩みました。

業界といえば、「格安xx」もよく使われますがこちらの方は意味はよくわかるのですが、何だかそれを使おうとする人をバカにしてるというかある種見下したような語感を感じます。例えば「格安航空」はそれを提供する会社はもちろんそのような言葉は使いませんが、その業界でずっと既得権を行使してきた側とメディアからはそう呼ばれていますね。

僕は台湾へB級グルメを取材旅行に行くのに関空から桃園国際空港までいつもピーチを使いますが、ウエブで簡単に安い便を検索出来たり、iPhoneでチェックイン出来たりで大変便利だけなくわずか三時間弱のフライト中余計なサービスも不要の上、危ない思い等経験したことは既に5,60回は乗ってますが勿論一度もありません。前回はバードストライクで那覇空港に緊急着陸をしましたが、乗客の誘導もスムースでしたし事情の説明もある程度納得の行くものでしたね。要は予約システムや地上、機内スタッフの過剰サービスを削ってコストを軽減はするが航空会社の生命線である安全性は確保しているという事でしょうか、そういえばめったにボーディングブリッチも使わずに歩いてターミナルまで移動となりますし、登場口さえも古い施設か簡素な作りになっている事が多くコストダウンの工夫がいたるところに感じられます。

さて、「初乗り」は英語では、basic fareと表現し文字通り基本料金の意味合いであり、これだと僕のような業界人でなくとも一発で意味が通じますね。また「格安航空」はLCCと略され、low cost carriarと表現されこれも文字通りコストを抑えた航空会社というような意味合いでしょうか。
いずれにしても、亡くなったかもしくは間もなく亡くなる人にしか使わない言葉を健康な人に使う誤用とか、尊敬語と敬語の違いがわからんとか、利用者に関係ない業界用語をそのまま使うだとか、既得権を持つ側が選択の自由に対し見下したような表現を使うような用法は正しい国語とは言えず、以前書いたように名詞だけでなく「練り歩く」とか「幻想的」等の動詞や形容詞にもどうも語感にずれたような使われ方がその他にも山ほどあってとても気になっています。

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