キプロスと国の分断

キプロスは地中海に浮かぶキプロス島の大部分を占める国家であり、面積は四国の半分くらい人口は堺市より少し多いぐらいで公用語はギリシャ語です。以前はその軍事的、地政学的な重要性から例によってイギリスによって一方的に併合されていましたが第二次大戦後、独立を果たすも1974年にギリシャ併合強硬派によるクーデターをきっかけにトルコ軍が軍事介入して北キプロスを占領し、さらにトルコ占領地域にトルコ系住民の大半、非占領地域にギリシャ系住民の大半が流入して民族的にも南北に分断されて今も国は分断状態にあります。

当然北キプロス側にもともと住んでいたギリシャ系の人たちは、南側に追いやられる悲劇の歴史が今も続いています。国が分断されるパターンは以前書いたミャンマーなどは宗教がらみですが、キプロスの場合は宗教というよりも民族の違いを政治的に利用されたパターンとなっています。

僕は常々思いますが、考え方や意見の違いを認めながら様々な違いを乗り越え他人を尊重しながら暮らしてゆくことは本当に難しいことであり、日本のような単一の民族で同じ言語を使い、しかも宗教的にも互いを尊重しあう世界でも珍しい国でも、それでも国の分断を計ろうとする勢力が最近特に目につきます。細かい事として、保育園の建設に伴う我儘な住民とのトラブルだとかごみ処理をめぐる一部の杉並区民の行動から始まって、大きな事では沖縄の米軍基地に端を発し琉球独立論が飛び出だして場合によっては国の存立の危機に繋がりかねない大きな問題もありますね。


その中でつい最近急に目につくのが、「バヨク」だとか「ネトウヨ」という気持ち悪い言葉です。まともな人はこのような汚い言葉は使いませんが、人にレッテルを貼り異なる意見や考え方を認めない人が好んで使う言葉のような印象を受けます。特に酷いのが元アイドルだか「くたばれパヨク」などとご自分で書いた内容なのかわかりませんが僕の言う分断を煽るようなとても表題を見る限りまともな知的レベルの方とは思われません。しかも出版記念のサイン会が何者かの妨害と不確かな情報で中止になった事で言論の自由だとかで騒いでいます。ここまで来ると何だか虚しささえ感じますがご自分の行動が人を分断し民主主義を否定し、オーバーに言うと国を分断する勢力に利用されている事さえ気付かないレベルの人が言論の自由とはちょっとピンと来ません。以前ムハンマドを茶化したくだらない風刺画で問題を起こしたフランスのタブロイド紙と同じで、いくら言論、表現の自由があるとはいえ、それには自ずと限度があるものだと僕は考えています。このような頭のレベルの人のために不毛な対立が起こったり人にレッテルを貼って異なる考え方を封じ込めたり、更には民族でもなく、宗教でもなく、新な切り口で人を分断する勢力がほくそ笑むことのないように心から祈るばかりです。

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