仏光山と素食



今回は台湾の高雄にある佛光山をご紹介します。総本山は台湾の高雄県大樹郷に位置し、昔は荒山でしたが、星雲大師の指導のもと、1967年5月16日から山を切り開き始めました。僧侶から伺った話しによると、もともとこの山はあるご夫婦のものでしたが、財務困窮に陥ったところを、星雲大師が引き受けたということです。山奥の辺鄙な場所でもあったので、多くの人が何でこんなところに?と最初反対したそうですが、法師の強い信念に弟子達の奉仕の精神が合わさり、その後信徒達の熱心な支持もあり、竹薮多い荒山を徐々に開墾。やがてここは台湾南部最大の仏教寺院となり、今では海外からも仏教の聖地と公認されるに至っています。

スケールの大きさに驚き

台湾の人口は、2018年時点で約2400万弱、うち仏教徒が最も多く、次に道教の信者が多いのですが、仏教といっても道教が主体となっていて、日本の仏教とは全く異なるといってもよいほどです。佛光山は臨済宗ですが、江戸時代に白隠が再興した日本の臨済宗ではなく、唐の臨済義玄を宗祖としているので、やはり少し違います。日本との違いはまず建物を見れば一目瞭然でしょうね。
台湾では、人々の信仰心はかなり篤く、街のいたるところに廟があるといっても過言ではありません。離島などでも荒涼とした海岸沿いで車を飛ばしていると、いきなり色彩豊かな廟が現われることがあり驚きます。そして、それらの建設費用はすべて信者からのものだと聞くと、頭が下がるばかりです。
観光地でも台湾の人たちの信仰の篤さを知ることができます。たとえば、台北の龍山寺は毎日が寺のイベントだと思えるほどの人の多さと山積みの供物。行天宮でもその光景は同じでしょう。また、お線香を手に持ち、熱心に拝んでいる人たちの中には若い人もたくさんいます。

お寺での素食、これにスープとご飯が付きます

開山当初、台北から佛光山へ来るには8時間近くもかかっていました。そこで法師の計らいで、遠くから来た人には食事を振舞っていたそうです。今でも素食レストランがあり、さすがに無料とはいきませんがバイキング方式で僅か100元(日本円で350円程度)ですので、早速B級グルメろ言っては叱られますが、食べに行ってみました。

台湾素食とは台湾の菜食主義料理で元来は宗教的な理由で食べられていた精進料理ですが、健康的な理由からも普及しています。中国語の素食は菜食の意味であって、「質素な料理」ではありません。(wikipediaより)

従って上の写真にあるような、料理に肉類は一切使用していませんがあたかも肉にような食感を楽しめました。味付けも結構パンチが効いていてご飯も食べ放題なので、二杯もおかわりしてしまいましたね。



紀念館の頂上には仏様 成佛大道を進んでいくと、その先に紀念館がありますが、館前の広場は、「菩提廣場」といい幅奥行きとも100mの広さ!ここで皆写真を撮るようです。 「佛陀紀念館」本館は、地下1階、地上5階、「三殿」「四館」から成っています。「三殿」とは、「観音殿」、「金佛殿」「玉佛殿」のこと。「四館」ですが、第一館は「地宮還原常設展」で、中に入ると数千年前の仏陀の時代まで遡ったような錯覚に陥ります。地下にある「地宮」というのは、地下の宮殿で、人が死んだ後に行く冥界をも指します。「地宮」は、「舎利」を置く場所であり、当時の文物も保存しています。紀念館には、48カ所の「地宮」があり、毎100年に一ヵ所を開放します。ということは、全部開放するには4800年を要するので、人はこの一生で一ヵ所しか見ることができません。文物には玉器、琺瑯、瑠璃、陶器、磁器、金属、化石などの腐敗しない歴史的価値のあるもの、かなり昔の仏像、法器、芸術品などのを他に、星雲法師が使用した保温ボトルや携帯電話などもあります。第二館は、「佛陀館」、第三館は、仏教行事の紹介、第四館では、仏教発展の歴史を知ることができます。5階まである本館の2階は、2000人が収容できる大覚堂と美術館が4つもあるんですね。

ぜひ台湾南部を旅行する機会があれば、ここ仏光山と八田與一が生涯を捧げた烏山頭ダムに訪れられる事をおすすめします。

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