★追悼 Liu Xiaobo


2010年に中国で唯一のノーベル平和賞を受賞した劉暁波氏が今朝肝臓がんで遼寧省瀋陽市の病院で亡くなリました。北京政府は最後までご本人の希望する先進国での高度治療を認めませんでした。僕は充分な治療を受けさせず半ば処刑のような形で文革中に劉少奇元国家主席やその後に周恩来元首相たちも同じように命を奪われたことを思い出します。

そして彼が好んで使っていた言葉に「私には敵がいない」というフレーズも思い浮かびます。そのフレーズは次のような散文に連なります。



「私には敵がいないし恨みもない。私を監視する人も取り調べる警察官も起訴する検察官も判決を言い渡す裁判官も皆私の敵ではない。
私は彼らの仕事と人格を尊重する。恨みは個人の知恵や良識を蝕み社会の寛容性や人間性を壊し一つの国家が自由で民主的なものへと向かうことを阻むものだ。
私は望んでいる。
私の国が表現の自由のある場所となり、異なる価値観や信仰。政治的な考え方が共存できるようになることを。
私は望んでいる。
私が中国で文章を理由に刑務所に入る最後の被害者となることを。そして今後言論を理由に罪とされる人がいなくなることを。」


これほどまで自分を客観視し達観できるのはおそらく自らの死を予感したからではないでしょうか。しかし思想や言論その表現の自由が未だに全く認められず、この程度の表現が精一杯だったかも知れません。
街頭演説に対し選挙妨害ともとれる活動を先導し、それがあたかも一般の良識ある人達の声のように伝えるマスコミや新聞社、面白半分に豊中市からわざわざ「大阪の恥」とも言える人物を呼び寄せパフォーマンスをさせるテレビ局、それでもやはり「私には敵がいない」とさらっと言ってしまえる事ができるでしょうか?

ご冥福をお祈りいたします。

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