スイロクってご存知?



玉山(ユイシャン)はかって新高山・モリソン山と称され、台湾のほぼ中央部に位置する山です。標高は3,952mと台湾で最も標高が高く周囲は台湾自然生態保護区となっていて、また1985年4月6日には玉山を中心とした約10万haの範囲が玉山国家公園に指定されています。
更に麓の村にはブヌン族と呼ばれる先住民が暮らしていて人口は約5万人。独自のブヌン語を話します。ブヌンとはブヌン語で人を意味する言葉だそうです。
社会の組織は、長老制度による父系氏族大家族社会で、長老者会議各家族の長老たちが集まり村の政策決定を行います。民族意識が強く、民族の固有言語を保っている数少ない台湾原住民族ですが、例にもれず大変な親日家が多く年配者は日本語が流暢に話せます。以前あるおばあちゃんから「わたし、昭和六年生まれよ。裕仁さん知ってる。」とうかがった事があります。

ついでに言うと、台湾のメガバンクに「玉山銀行」という有名な銀行がありますが、つまりこれを日本風に言うとすれば「富士銀行」でしょうか、今は残念ながら日本では「みずほ」になりましたが。

勿論以前は完全自給自足の生活をおくり電気も水道もなかった時代には彼らの最大のタンパク源は麓の森に生息する「スイロク」と呼ばれる大型の鹿でした。
スイロクは漢字では水鹿と書きますが、水辺に多く集まって暮らすことからその名前が付いたようです。僕はこの剥製を見たことがありますが、その大きさに驚いたものです。
台南市の安南区に国立歴史博物館があり、通称みんなの博物館(大家的博物馆)と呼ばれています。駅前からバスで小一時間くらい終着駅ですがスイロクの剥製はそこにありました。



入場料は100元と結構しますが、まあ展示物や展示方法の充実度はすばらしくゆっくり見てるとこの国の四百年余りの歴史がよくわかります。(それ以前は有史以前と言うことであまり資料が残っていません)ちょっと聴いたりしても若い学芸員のお姉さんは日本人とわかると丁寧に説明してくれとても好印象です。二階には台湾の時代ごとに街の様子がレプリカで再現され、日本統治時代に初めての議会選挙が行われた様子が特に印象的でした。

今から百年ほど前にすでに民主主義が根付きはじめ、ラジオを売る商店があり、貿易商社に近い企業の様子も再現されています。冠婚葬祭の儀式や小学校での教育現場などもあれ、懐かしや、と思えるほど日本式です。




道端にもたわわになるマンゴー
今年は台湾ではマンゴーが豊作で甘くていい香りを楽しみに台南に遊びに来るついでにぜひ半日余裕を持ってこの博物館を訪れる事をお勧めします。夜は夜市でB級グルメ、昼は暑いので空調の効いた博物館でゆっくり歴史を考えてみるのもいいかなと思います。因みにマンゴーの生産地も駅前からバスで簡単に行け、これまた小一時間で玉井というところで終着駅なので間違うこともありません。
バス停を降りるとなんと道端にもマンゴーがあふれるように成っています。昔絵本で見た「青い鳥」に出て来るお菓子の国を思い出しました。



芒果牛奶冰

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