令和
万葉集巻五 梅の花の歌三十二首の序文
初春の令月にして、気淑く風和らぎ
梅は鏡前の粉を披き、蘭は背後の香を香らす
万葉集の歌の意味は言うまでもなく、まだ薄ら寒い月の中しかし風はやや春を思わせる感じの中、梅が咲き誇り、蘭はその香りを香ばしくする、という季節感の中に新しい時代を希求する国民がたおやかに暮らしてゆける願いを込めているものだと思われますね。
実に季節感にあった、春の訪れの喜びと御代代わりを祝ういい解釈ができると思いますとともに、「令和」の字にはもちろん他の意味もありますがここではそれとは違う意味で使われていることが、興味深いですね。
以下安倍首相の談話を簡単にまとめますと、
- 日本の国柄を次の世代に引き継いでいき一人ひとりの日本人が明日への希望とともにそれぞれの花を大きく咲かせる国でありたい。
- 平成の30年間は改革が叫ばれた時代だった政治改革、行政改革、規制改革、抵抗勢力など。
- 大きな議論を巻き起こした平成時代を経て現在の世代は改革を前向きにとらえていると思う。
歴史上はじめて桜を思わせる記録が出てくるのは、古事記に記述されている、木花咲耶姫命(このはなさくやひめ)という天孫降臨なさった瓊瓊杵命(ににぎのみこと)の妻が愛でたとされています。
しかし時代が大きく下って奈良時代になると当時は花といえば梅であり、日本固有のものでない桜は神聖なものと、みられていたようです。
したがって万葉の時代の花見は梅であったようですね。
ここでさらに新元号をB級流の読みをいたしますと、「令」の一般的な意味は~に~をさせるという使役動詞としての役目が多く、英語でいえば「let」ですね。
つまり、用法としては、
I let him go.(僕は彼を行かせた)とか
My father let me drive his car.(親父は僕に車を運転させた)になります。
さらに中国語でも~をして~せしむ、というニュアンスが強く、用法としては、
这件事令我深思。(このことで僕は深く考えさせられた)とか
令全军待命。(全軍を待機させる)になります。
したがって、令和とは中華圏に住む人であればするっと「平和を命令するんだ」と受け取られかねず、実際中国人の友人に尋ねると「これからの日本は世界を強く指導します」という意味合いを感じるそうです。
さらにちょっと意地悪かもしれませんが、では中国共産党はどう思うか尋ねてみたところ、「ビビると思います。」とのお答えでした。
まあそのような意図は込められていないにしても、元号の出典を初めて日本の古典から引いたことや、万葉集は中国から伝わった漢字を初めて表音文字として進化させました。また「和を以て貴しとなす」我が国と同じ方向性を持つ、トランプ政権との関係がかってないほど良好な今、世界の紛争や、人権蹂躙、力による支配、知的所有権のパクリなどに対するもういいや感もひょっとして含まれているのかも知れません。
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