合衆国最高裁判事の交代


法律を拡大解釈して司法が積極的に理想を実現しようという「司法積極主義」に対して民主主義に任せようとする考え方を「司法消極主義」といいます。そして現在の共和党トランプ政権はコンサバティブとしての「司法消極主義」をとっています。

さて合衆国の最高裁判所の判事は首席判事を入れて9名で構成され ,時の大統領が指名し上院の助言と承認により任命するシステムになっています。当然ながら共和党大統領ならばコンサバティブな判事を民主党大党なら量ならばリベラルな判事を任命することになります。


そんな合衆国の最高裁で共和党は危機に瀕していました 。というのは最高裁判事の任期は原則として終身制になっています。従って大統領という最高権力者であってもちょうど交代のタイミングに合わなければ最高裁判事を任命できる機会はありません 。
大統領任期中に最高裁判事が死亡するか引退するかそういう事態が起こらない限りイデオロギー的には自分の分身となる判事を最高裁に送ることはできません 。

ところが、民主党オバマ前大統領の任期中に3名のコンサバティブ派判事が引退又は死亡したため 、連邦最高裁判所の構成は大きくリベラル派へと傾きました 。その結果 LGBT とか同性婚とか妊娠中絶とかその他の多くの決定がなされアメリカがかってない方向に向かうことになりました。

今回トランプ大統領が就任した際1名空席があったので彼はコンサバティブのニール・ゴーサッチ氏を指名しました。議会民主党はもちろん反対しましたが大統領選と同時に行われた選挙によって少数派に落ち込んでいたためできることは少なく、結果として保守派がなんとか過半数を占める最高裁が出来上がりました。

更に今回のニュースでは御年82歳のアンソニー・ケネディ氏、 これはリベラル派ですが、この方が引退する意向を明らかにした事を大きく報じています。そのためますます運がついていると言うかトランプ大統領のイデオロギーに沿うような判事が指名されることになりそうです。

その結果同性婚の権利や LGBT の権利を認めた歴史的判決を彼らは次々とひっくり返すのでしょうか?興味深い事が起ころうとしています。

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