国旗に敬意を払わない権利はあるのか
NFLの選手たちの行動に疑問をもったトランプ大統領はそのツイッター上で苦言を呈しています。
Sports fans should never condone players that do not stand proud for their National Anthem or their Country. NFL should change policy!
試合前の国歌斉唱の際に起立を拒む一部選手が片膝をつくという侮辱行為を行った事にトランプ大統領は我慢ならなかったようです。
似たような事は日本でもあって、教員が卒業式等で「君が代」斉唱の際起立しないとか国家を斉唱しないとかいう行為が一時話題になりました。
こちらの方は国家の斉唱や起立を命じたのは教育委員会であって、公務員の服務規程に従わなければならない事は当然の事ではある前に、国旗や国歌は国家の主権を象徴するものである以上それらを尊重し敬意を払うことは国民として当然の事のように思われます。
ましてや、NFLの選手の多くは中学を卒業するかしないうちにスーパースターとしてもてはやされ世の中の事もまだ充分にわからないままに大人になった人たちとは違い、日本の教育現場で教養も分別もある教員がそのような行為をとる事は何だか僕も我慢がなりませんし孫達の教育をそんな人たちにお願い出来ません。幸い教育現場も僕達が経験してきた時代と随分変化してきたようで、孫達と話していてもさほど違和感を感じることは無いようです。
Going to the White House is considered a great honor for a championship team.Stephen Curry is hesitating,therefore invitation is withdrawn!
さて話を米国に戻すとかってのスーパースター、スティービーワンダーやマドンナもステージで同じようなパフォーマンスを行い、最近ではバスケットのNBAで優勝したゴールデンワオーリアーズのステファン・カリー選手(写真上)も大統領の苦言に対して不満を表し優勝チームに与えられたホワイトハウス招待を固辞したりしています。
さらにここからが要点なのですが、NFLの試合がイギリスのウエンブリーであると言うことでカリー選手の件をBBCは取り上げ、いわゆる街の声として「国旗や国歌に敬意を払わないのは選手の権利」だとか「言論の自由の方が大切」と報じ、トランプ大統領はナショナリズム、愛国心、人種といった問題で物議を醸すことで自らの支持基盤に向けたパフォーマンスをしていると最後に結論付けています。
国営放送が番組プロヂューサーの一意見をこのようにバイアスをかけて放送することはどうかと思いますが、
国家主権を象徴する、国旗や国歌に敬意を払わない事は国民の権利でしょうか、また言論の自由の方が国家への敬意よりも大切なものなのでしょうか。
難しい問題ですがこの辺を追求しすぎた挙句にリベラルの終着点があって、多様性よりも共通性、グローバリズムよりもナショナリズム、の方向に多少なりとも振り戻したいトランプ大統領の気持ちが何となく理解できるような気がします。
(法学士・法哲学ゼミ)
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