大坂さんにみるメンタルの有り様


数年前に「プラス思考」という言葉が一斉を風靡したことがありました。ところが、最近になって「プラス思考じゃダメだ」とか「プラス思考の弊害」というようなことが言われ始めています。

自己啓発本やセミナーで「プラス思考」を学び、一度は人生に取り入れてみたものの、マイナスな出来事や感情へ対処できずに、無理が出て諦めてしまう人は数知れず。それに代わるような明確な提案をしているものは、まだありませんでしたが、しかし、最近大坂なおみ選手と大谷翔平選手の2人のアスリートが、プラス思考の上を行くメンタルで、世界的に活躍し始めています。

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SNSの発達に伴い、情報発信がいつでもどこでも誰にでもできるようになって以来、自分を過剰に演出し過ぎて中身が伴っていない人や、前向き過ぎて空回りしている人、いわゆるウザい人が、嘲笑の意味で「意識高い系」と呼ばれているのはご存知の通りです。

「意識高い系」と揶揄される人たちは、前向きが過剰になって「前のめり」になり、せっかくのプラス思考が、周りの人にマイナス思考を生んでしまうのです。本来「意識が高い」ことは、人間の成長や社会の進化向上に必要なことのはずなのに。

問題は、意識が高いことではなく、言っていることとやっていることが乖離している、つまり「言行不一致」な状態であることにあります。

プラス思考は「前向き」という思考の方向性を持ちますが、前向きが行き過ぎると、マイナスをなかったことにしたり、前しか見ない融通の利かない人間ができあがります。
しかし、大切な人や出来事は、前だけではなく、横にも後ろにもあります。

偽物の「意識高い系」から本物の「意識高い人」になるには、もっと視野を広くし、前も後ろも横も360度広角で見据えながら、自然や人間の摂理に沿って生きる「上向き」という思考の方向性があります。前後でも正負でもなく、文字通り「上」を見据えるメンタルです。

女子プロテニスで今、世界トップに躍り出ようとしている大坂なおみ選手は、サーシャ・ベイジンコーチの指導で、まさに意識と思考を上向きに変えて、一気にトッププレイヤーとなりました。

心を使う主人になるために必要な能力は、「集中力」です。それは、外の対象物へ向かう力(=執着)ではなく、自分へ集中する力。

外に向かった集中力は、興味や関心があるものに対しては、誰もが普通に使っています。一流のアスリートやアーティストは、自分の心と体を最高の道具として使うために、外側ではなく内側のメンタリティへ集中力を発揮してるのでしょうね。

自分の内側への集中力がないと、心に使われて感情的な反応をしてしまいます。

感情的な人と感動的な人はどう違うのでしょうか?

・感情的な人とは一緒にいたくありませんが、感動的な人とはいつまでも一緒にいたくなりますね。

・感情的な人の話は聞きたくありませんが、感動的な人の話はいつまでも聞いていたくなりますよ。

・感情的な人といると疲れますが、感動的な人といると勇気や気づきをもらい元気になれます。

自分の心に集中していれば、外側のマイナスの出来事に消極的に反応するのではなく、同時に存在している積極的な要素(メリットや恩恵や愛情)に気づくことでニュートラルに戻り、感動や感謝、至福というハッピーエンドにつながるストーリーが見えてくるかもしれません。

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